ワインが私に届くまで

新型コロナワクチンが日本への輸送第2便がもうすぐ到着しますね。

ワクチンを打って少しでも安心の日々を取り戻すべきか、とは言っても副反応症状は怖いし・・・。個人的には、「副反応のリスク」と「ワクチン接種により得られるメリット」の比較になると考えています。いっそのこと接種を義務化してくれれば、モヤモヤ悩まずに済むんですけどね。ファイザー製のに限ってはマイナス70度前後を維持して輸送する技術は素晴らしいです。国際ロジスティクスの仕事に長年携わってきている私としては、その輸送の技術力の高さに驚くばかり(^^;

ところで、ワインの輸送には温度管理が重要になりますが、どうやって輸送されているかご存じですか?
例えば、ヨーロッパからワインを輸入するとしましょう☝

ワインを輸送するのに使われるのは主に、海外輸送の部分は船か飛行機、日本と海外の国内輸送はトラック(地域によっては河川や鉄道輸送もあり)です。

船便でのワイン輸送

様々なパターンがあるので一般的なものを取り上げます。
運賃は重いものになると船便の方がコストが低く抑えられるので、物量が多い場合は圧倒的に船便での輸送を選ばれることが多いです。

集荷~船積みまで

まず、ワイナリーからトラック(ヨーロッパでは定温トラックが少ないので、気温の高い時期はサーマルブランケットを利用して温度変化や高温を避けることもあります)でワインを集荷します。次に、フォワーダーなどの倉庫で輸出用に梱包された貨物をコンテナに詰めます(バンニング)。その後、冷却装置のスイッチをオンまたはオフの状態でコンテナヤードへ締め切り(ClosingとかCutと呼んでいます。大体、船の出港の前日です)までにヤードへ搬入します。輸出申告が許可になれば、クレーンで船へコンテナが詰め込まれ海外へ向けて出港します。

航海日数

ヨーロッパから日本までは、およそ30~40日くらい(船会社や航路による)掛かります。以前は30日前後だったんですが、アジア諸国の経済発展により日本の貿易における国際的地位が弱まっていることもあり、ヨーロッパから日本への直行便が減り、また寄港する港も増えたため、船足が延びています。

温度管理

リーファーコンテナで輸送する場合は15度くらいで輸送することが多いです。
ドライコンテナの場合、赤道周辺を通ってくるのでコンテナ内の温度は50度を超えます。また、シンガポールなどでの船の積み替えを伴う場合は、3日から1週間ほど港で放置され積み替えを待つことになります。

日本に到着~市場に流通するまで

そして日本に到着した後は、コンテナヤードで船から降ろされ、輸入通関許可が出次第、コンテナを引き取り、コンテナ出し作業(デバン)場所まで輸送します。

また食品の場合は厚生省への届け出も必要になります。審査・検査後、許可になり、輸入通関も終わればラベル貼りなどの作業を行い、やっと市場へ流通することになります。

以上、ワインが私たちの手元に届くまで色んな工程を経ているわけです。

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