ワインラバーのための資格・検定

ワインの資格や検定

日本国内で取得できるワインの資格や検定はたくさんあります。主なものを挙げると;

  • 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)認定資格
    • ソムリエ
    • ワインエキスパート
  • 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)認定検定試験
    • ブロンズクラス
    • シルバークラス
  • WSET®(Wine & Spirit Education Trust)認定資格

世界に通用する資格として、英国に本部を置く酒類教育機関WSET®(Wine & Spirit Education Trust)が認定するレベル別の資格があります。Level 1からLevel 4まであり、Level1から4に進むにつれて難易度が上がります。


他にも各産地に特化した資格や検定など、まだまだあります。中でも、ワイン業界で最も名声が高いとされるのがマスター・オブ・ワイン(MW)です。英国に拠点を置くマスター・オブ・ワイン協会が認定する資格ですが、日本人で合格したのはまだ2人で、内1人は英国在中です。

色々あり悩みそうですが、「ワインが好きで体系的に勉強したい」という方にお勧めしたいのは

  • J.S.A認定ブロンズ・シルバー・ワインエキスパート
  • WSETのLevel2から3

です。

WSETのLevel3がJ.S.Aのソムリエ・ワインエキスパートのレベルに相当すると言われています。Level4になると英語のみでの試験になるのと、WSET Level3かLevel 3 Wines and Spritsの資格を持っているなどの要件が必要になってくるのに加えて、資格取得に掛かる期間や費用の負担が一気に上がります。

JSAワイン検定を経験して

筆者もJ .S.Aのブロンズ・シルバー受験を経て、昨年に無事にワインエキスパートを取得できました。たまたま興味本位で受けたブロンズ検定でワインの勉強が楽しくなり、気が付けばシルバー検定・ワインエキスパート受験へと進んでいました。

ブロンズ・シルバー試験では当日試験前にセミナーを受けてから試験を行います。担当してもらった先生の説明がとても分かりやすかったお陰で、試験直前の1週間ほどで詰め込んだ勉強のみで順調に合格できました。快調にコマを進めていきましたが、ワインエキスパートでは色々と苦戦しました。

忘れない内に、ワインエキスパート受験の経験を備忘録に残しておきます。これからワインエキスパート受験に挑戦される方へ参考になりましたら幸いです。

インエキスパート試験

ワインエキスパートは2次試験まであり、1次は筆記、2次はテイスティングです。2021年の試験では、1次試験は7月末から8月末の間で自分の希望する日時と会場を指定して受験しました。2次試験は10月に行われ、日時は固定でしたが、会場は希望する会場を指定できました。

2021年3月

アカデミー・デュ・ヴァン(以下、ADV)の「J .S.A.ソムリエ・ワインエキスパート受験対策講座」受講開始。ここから半年間で全20回通います。

週1回、1回2時間半。毎回小テストと、授業の後半にテイスティング付き。個人的には、このテイスティングが学校給食のような感覚で、1週間頑張った自分へのご褒美的な位置付けでした。毎回5〜9種類ほどのワインとワイン以外のお酒のテイスティングです。

2021年4月〜7月

このあたりからブロンズ・シルバー検定でワインのお勉強をナメていた自分を大後悔し始めます。コロナ禍でサラリーマンの仕事が毎晩深夜残業・・・。まとまった勉強の時間が週末しか取れず、平日は昼休みと通勤時間、その他生活の中での隙間時間を使って勉強しました。

が、何せ容赦ない暗記量。

ワイン協会が発行する約800ページのタウンページほどのテキストを丸暗記すれば合格できますが、それをADVが500ページほどにまとめてくれています。加えて、クラスの先生がポイントを絞ってくれたので、ここまでで暗記箇所はかなり絞られて要領良くは進められましたが、それでも感覚的には大学受験並みには勉強したと思います。

私の場合は、毎回の授業の後にパワポにポイントを整理してから暗記を1週間繰り返していました。ADVのアプリで練習問題ができたので、それと自作ノートを併用して何度も暗記を繰り返しました。1度の暗記だけだと、覚えた瞬間から忘れ始めるので・・・。アプリの練習問題と繰り返しの暗記で脳に定着させていきました。

それでも授業が次の章に移ると、それを暗記するのが精一杯で、以前の章は反復ができません。苦戦しつつも順調良く毎回の小テストでは満点に近い点数は取れていましたが、ここで問題が起きてしまいました。

「美味しい・不味い」が分からなくなった

20年以上好きで飲み続けてきたワインですが、毎回のテイスティングでワインの香りや味わいの特徴を捉えていく内に、回を重ねるごとにワインの「美味しい・不味い」が分からなってきました。特に赤ワインは自分の好みすら分からなくなりました。

試験ではワインの一つ一つの特徴を正しく捉える必要があります。1つのワインから様々な香りや味わいを感じられ、同じブドウ品種でも産地や作り手によって、香りや味わいが変わってきます。その個性を捉えて、比較するのもワインの魅力の一つですが、ワイン初心者だった私には特徴に注目しすぎたあまりか、ワインに対する好みがリセットされてしまいました。

さらに勉強を進めていくにつれ、「好みリセット事件」は少しずつ解決されていき、2次のテイスティング試験を受ける頃には新しい好みが確立されていきホッとしました。

2021年7月〜8月

7月末にADVで重要箇所の授業が終わり、ここから総復習を開始しました。しかし予想通り、最初の頃に勉強した箇所は悲しいほど忘れています。。1回目より短い時間では覚えられますが、それでも時間が掛かるのは変わりません。そして、8月初旬にADVで受けた1次試験の模試は65点ほど。トホホ状態でした。

1次試験の合格点は公開されていませんが、70点以上取れば合格安全圏とされています。ここで「あと5点分勉強すれば合格できる」とポジティブに気持ちを切り替えました。1次試験日を8月15日に設定していたので、足らない5点分を試験日までの10日間で補うための勉強計画を立て直しました。

今までまとめたノートを暗記し直しましたが、何せ暗記量が半端無い。暗記は苦手な方ではないですが、それでも産地名や銘柄、ブドウ品種名、歴史の年号を覚えるのは苦労しました。色々と試行錯誤しましたが、どうしても覚えられないものは、語呂合わせと替え歌で覚えました。テクニックなしで暗記したものはほぼ忘れていますが、語呂や替え歌で覚えたものは、1次試験が終わって半年経った今でもまだ覚えているのが沢山あります。


〈ノートを勉強部屋、洗面所、キッチンなど家中に貼って覚えました〉

2021年8月〜10月

1次試験を無事に終え、間髪入れず次は2次試験対策です。何せ今までノムリエだった私はテイスティング能力ゼロからのスタートです。かつワイン以外のお酒も試験では出ますが、こちらも知識ゼロでした。1次試験同様に苦戦しましたが、ポイントを絞って対策講座を受講し、自身でもワインやその他のお酒を購入して何度も特訓しました。だいぶ散財もして、身体も壊してしまいました・・・。

直前1週間は身体がアルコールを完全に受け付けなくなっていましたが、それとはトレードオフに、それまで捉えられなかった香りや味わいの要素やアルコール度数もちゃんと分かるようになっていました。そして、なんとここでまたもや問題発生です。

正しく回答欄にマークできない

2次試験直前10日前から、毎日自宅で時間を測って本番を想定した模擬テイスティングをしましたが、アルコールが回ってくると、どうしても回答用紙に間違って答えをマーク(試験はマークシート形式)してしまいます。何度練習しても間違える。
(コロナ禍で本番は吐器が使えない可能性があり、練習でも使用しませんでした。)

しかも回答用紙自体も解答欄や文字が小さく、老眼が始まり出している私は苦労しました。このために人生初、100均で老眼鏡を購入したほどです(笑)

直前1週間は、ほろ酔いでも間違ずに回答できる方法を試行錯誤で探りました。これが功を奏したのか、無事にワインど素人だった私が一発合格し、ワインエキスパート資格取得へとたどり着いたのです。

ワインエキスパート受験を終えて

ワインの勉強は終わりがありません。資格取得した今でも勉強は続けていますが、勉強する度に新しい発見や気付きがあります。ワインは自然と人が作り出す壮大な飲み物で、知れば知るほど新しい知識がエンドレスに出てきます。

個人的には、勉強する前と比べて、飲んだワインの背景が想像でき、捉えられる香りや味わいが増えたことで、ワインがより美味しく感じられるようになりました。ワインにはちゃんと理論もあります。理論を知ることで、人に説明できるようになりますし、ワインショップの店員さんとの視点が近くなったことで、ワイン選びの幅も広がったと感じます。まだまだ勉強も資格挑戦も続けようと思います。

ブロンズ検定について

そして、ワインエキスパートを取得した特典の一つですが、協会に入会するとブロンズクラス検定の講師ができます。

ということで、今回初めてですが講師役を務めます。もし興味あればぜひ、受験してみてくださいね。

https://www.winekentei.com/

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