ワインと料理のペアリング-ボリュームを合わせる-

ワインと料理のペアリング第2回は、ワインと料理のボリュームについて。
ワインと料理の相性を合わせる方法は色々とありますが、最も合わせやすい一つとして

「ワインと料理のボリュームを合わせる」

というのがあります。ボリュームとはつまり質感で、ワインの質感と一口の料理の質感です。ワインのボリュームは、ずばりアルコール度数です。赤ワインの場合は、アルコール度数に加えてタンニンの量もボリュームに影響します。

今回合わせたワイン

J.Meyer Pino Noir 2020

格付け:Q.b.A.ファルツ
ブドウ:Pino Noir
外観:縁が少しオレンジがかったルビー色
香り:ラズベリーやブルーベリーの香り。紅茶のニュアンス
味わい:酸味、タンニン、アルコールのバランスが取れており、非常に上品な味わい。
酸味:中
タンニン:少

・アルコール:13.5%
・ボリューム:ライト
・価格:1,380円

ドイツ・ファルツのピノノワール(シュペートブルグンダー)100%のワイン。

減農薬農法で作られたナチュラルワイン。細長い形のボトルでスクリューキャップ。

料理に合わせようと自宅近くのワインショップで購入しました。1,000円程度の値段には思えないほど、バランスの取れた上品な味わいが特徴のワイン。余韻も長く、あまりにも美味しいので、翌日に数本買い足してセラーに寝かせています。

今回合わせた料理

ローマ風カチャトーラ

一口大に切った鶏肉に小麦粉をうっすらまぶし、フライパンで少し焦げ目ができる程度に焼き、白ワインビネガーと野菜(セロリ、玉ねぎ)、オリーブで煮詰めました。白ワインビネガーの微かな酸味と、野菜と肉を煮詰めたコクが出て美味しくできました。

ペアリング効果

鶏肉を口に入れた後に、ワインを口に含むと、あっさりとした味わいの鶏肉と軽い赤ワインが口の中で絶妙に絡み合いました。決して料理かワインのどちらかが口の中で主張することなく、口中で調理された感じです。

また料理の微かな酸味とワインの酸味が口の中で調和される効果もあり、ベストマッチなペアリングでした。

同時に鶏肉に含まれる脂分をワインの酸味が流してくれて、味付けと共にあっさりと食べられました。

ワインと料理のペアリング -調和効果-

春が訪れて桜が咲く季節になると、ピンク色に連想されていつもロゼワインが飲みたくなります。今年もあちこちで桜が綺麗に咲いてきて、セラーで寝かせていたロゼに夕方のデパ地下で安く買ったお刺身を合わせてみました。
最終的には「好み」になってしまいますが、ワインと料理を合わせるポイントの一つとして

「ワインと料理の特徴を同じにする」

というのがあります。
特徴を合わせることで、ワインと料理が口中で料理され、香りや味わいが調和されることがあります。この理論に基づいて、ロゼと刺身をペアリングしてみました。

まずワインはこちら

Can Sumoi La Rosa 2018

ブドウはビオデナミ農法で栽培。無添加、濾過なしで醸造。またシュールリーを行なっています。これらがワインの外観にも表れていて、ショップの商品棚で、ワインの液中にオリが浮いていたのが衝撃的で迷わず即買いしました。

ワインについて

アペラシオン:DOペネデス
ブドウ:5 0%Sumoll、30%Parellada、20%Xarello

外観:淡いピンク色。グラスに注ぐと、発泡が少し残っています。
香り:最初にアカシアやスカズラなどの花のニュアンス、次に海や潮の香りを感じます。
味わい:程良い酸味と塩の風味が特徴的。心地良い苦味も感じられます。
酸味:中
苦味:中+
塩味:中+

アルコール:11%
ボディ:ライトボディ
価格:2,000円くらい

そして合わせた料理がこちら

刺身(マグロ赤身・タイ・ハマチ)
小田原土産・鈴廣のかまぼこ
小田原土産・たたみいわし

ペアリング効果

刺身と醤油の塩味と、ワインの塩味が口中で調和して複雑な味わいになり、それぞれの美味しさが増しました。また、ハマチに関しては塩味の調和効果とは別に、魚の脂分をワインの酸味が流してくれる効果もあり、あっさりと頂けました。
かまぼこといわしはワインの塩味が調味料の代わりをしてくれて、素材の美味しさを引き立てくれました。

こんな感じで、ワインと料理の相性を合わせると、料理もワインも美味しくなります。さらにペアリングを考えるのも楽しい時間になります。